2021年12月20日 鈴鹿山脈の吊るし雲
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鈴鹿山脈を近くに眺める現在の職場では,地形性の雲をよく観察することができます。 今日目立ったのは,フランスパンのようなロール状の雲。 鈴鹿山脈に対して平行に生じており,衛星画像をみてみると,桑名市まで続いていることがわかります。 この雲は吊るし雲と呼ばれ,山越えの気流がバウンドし,凝結高度をこえるときに生じます。三重県北部の冬特有の眺めです。



2021年12月14日 ふたご座流星群
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Watec+UFOCaptureの組み合わせは相当強力で,簡単に流星の自動観測をすることができます。 この写真は2021/12/14の2時から120分間ベランダから撮影した時の画像を恒星中心でコンポジットしたものです。 放射点が天頂付近にあるので,大地に降り注ぐように流星が流れています。 また,今回1流星だけ,スペクトルを撮影することができました。



2021年12月12日 レンズ雲の群れ
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夕方レンズ雲が各地に生じました。 魚眼レンズで撮影してもその姿は圧巻です。 レンズ雲の高度は中層〜上層に達しているようで,一部では巻積雲のような小さな雲塊となっていました。 このレンズ雲は非常に薄いもので,動画を見てみるとその性質がよくわかりました。



2021年12月5日 レナード彗星がやってきた
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レナード彗星が見頃を迎えています。 双曲線軌道をもつ非周期彗星で、順調に増光し続けています。 四日市市からは、セントレアや名古屋の明かりがありながらも、ダストテイルがよく見えており、今後も要注目の天体です。 最接近は12/12頃。イオンテイルも見えるかも、と期待しています。



2021年11月19日 ほとんど皆既月食
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今回の部分月食は,大部分が本影に隠されるためほぼ皆既月食と呼ばれています。 ターコイズフリンジや赤く染まる月は非常に妖艶で,食最大の頃にはターコイズフリンジの存在もわかりました。 少々雲に邪魔されることがありましたが,概ね全行程見届けることができました。 次の皆既月食は2022年11月8日です。



2021年10月20日 人生初のスプライト
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夜、日本海の低気圧が発達しながら通過しました。 上空寒気の影響で、日本海側を中心に積乱雲が乱立。 この積乱雲上空をめがけて先日オークションで購入したWAT−250D2と動体検知ソフト(UFOCapture)を使用し撮影を行いました。 するとスプライトを2イベント捉えることができました。
スプライトとは中間圏で見られる放電現象です。 科学的に認知されるようになったのは1980年代後半。 発光までの物理過程ではわかっていないことも多く、興味深い自然現象の一つです。 日本では北陸冬季雷に伴って発生することが多く、今年はスプライトの観測を楽しみたいと思っています。



2021年10月1日 台風16号の西縁
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最高の衛星画像(2021/10/1 18時 高知大学気象情報頁より)
大型で非常に強い台風16号は伊豆諸島を通過し関東の東へ。 千葉や茨城では停電した地域もあったようです。 今回の台風16号は上陸はせず,直撃というわけではありません。 もし直撃していたら...考えただけでもゾッとします。
15時頃まで巻層雲や層積雲が重なり続ける空でしたが,台風の雲域が抜けてやがて晴れていきました。 夕方東の空を見てみると,台風の上空で発散された濃密巻雲の境界に遭遇!赤外画像から,台風西象限に位置する巻雲列とわかりました。 台風由来の雲を観察した経験は数多ありますが(例 2019年9月9日),ここまで明瞭な境界はじめて見ました。 双眼鏡でその構造をくまなく観察。上層雲なのに非常に濃く,さすがは台風由来だなぁと感じます。 巻雲の下に雲の塊が棒状に張り付き,その上にはコブ状の塔状雲。 下には雲が短くほつれています。ガストフロントに伴うアーククラウドに似ているのが興味深いです



2021年9月9日 肋骨雲と月の協奏
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夕方には飛行機雲由来の雲がたくさんできましたが,面白いことに飛行機雲はぶつ切りの状態で,ずっと連続しているというわけではありません。 そのような中で,短く残った飛行機雲を芯とした肋骨雲が広がりました。 そばには月齢2.4の月が輝き,疲れた心を癒してくれます。



2021年8月28日 アンドロメダ銀河
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毎年夏のペルセウス座流星群の日には紀北町に遠征に来ていますが,今年は生憎の曇天だっためまだ来れていませんでした。 今日の夕方,天気図を見て快晴を確信し急遽遠征を決断。 ポータブル赤道儀1台とポルタ2,D5500・D5300を急いで積んで観測場所に向かいました。 固定撮影をしながら双眼鏡で星団や銀河を観察するというスタイル。 長経路の流星もたくさん見ました。 次回,8月31日の天気が良さそうなら突発出現が予想されているぎょしゃ座流星を狙いにくる予定です。



2021年7月13日 積乱雲の絶景
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大気の状態は不安定で昼から積乱雲が各地で発生しました。 特に長野・愛知方面である北の空から北東の空にはかなとこ雲がたくさん生じていました。 夕方の時間帯には愛知で巨大な積乱雲が発生。 大きなかなとこ雲を伴いながら夕焼けに赤く染まっていました。



2021年7月12日 ATOM Cam2で捉えたアーククラウドの接近
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各地で大気の状態が不安定で積乱雲が乱立し,各地で何回も凄まじい落雷がありました。 鈴鹿市でも正午ごろに激しい雷雨。 この積乱雲が本格的にやってくる前,先駆的にやってくる冷気外出流による突風を感じました。 観察してみると,すでに積乱雲の降水域に入りつつある状況。 この時,四日市市の自宅に設置した南向きのカメラでこの積乱雲を確認してみると,冷気外出流の前面にできるアーククラウド(アーチ雲)が付随していました。 積乱雲の空間的な広がりを感じながら,その一生を見届けました。 この時の様子は,タイムラプスで撮影し,YouTubeに投稿しました。



2021年6月4日 劇的な夕焼け 動かぬ吊るし雲
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昼頃に前線が通過し荒れた天気になりました。 やがて高層雲が減っていくと,吊るし雲やレンズ雲が残りました。 日没後は急に広い範囲で黄金・ピンク・赤色に!自然の作る芸術作品です。



2021年5月28日 ものすごい乳房雲!
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南岸には長い前線。 梅雨期独特の天気図が続きます。 午後には雲はどんどんと厚くなっていき,高層雲や層積雲。
太陽が沈む頃,室内でも異様に思うくらい世界が紅に染まりました。 層積雲は先が尖った雲塊となり,やがてそれらは丸くなっていきました。 乳房雲です。 この形成過程は自宅のベランダから偶然撮影することができました。 外に出て西の空を確認すると,おびただしい数の乳房雲が密集していました。 なかなか無い光景です。



2021年5月7日 虹とレンズ雲の共演
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前線の影響で雨となりました。 夕方,少しぱらついている中に太陽の光が差し込み赤虹が生じました。 全周とはならず,足元のみの虹となりました。 どうやら遠方の降水雲に生じているようです。 この虹とレンズ雲が水を張ったばかりの田んぼに反射してなんとも言えない幻想的な光景となりました。



2021年5月1日 乳房雲
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下層に流入した暖湿気と上空の寒気の影響で,大気の状態は非常に不安定! 夕方,驟雨の中で西から日がさして虹が生じ,そのピークが過ぎた頃 東の空におびただしい数の乳房雲が見られました。 かなとこ雲の西側に生じているようす。 虹と乳房雲のコラボレーションした特別な姿を,1枚目にあげました。



2021年4月21日 北の空の一直線の雲
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高気圧に覆われ快晴。北の空には一本の巻雲の筋がみられました。 職場についてから衛星画像(SCW)を確認すると,なかなか面白い雲が写っていました。 シーラスストリークにも思えますが,高層天気図を確認しても,このようなジェット気流は確認できず。 おそらく上空の前線面だと思われます。 昨日の記事でも,北の空に肋骨巻雲がみられたと紹介していますが,もしかしたらこの雲だったのかもしれません。



2021年4月8日 下部ラテラルアーク・外接ハロ そして,ウェゲナーアーク!
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そしてついに・・・
ウェゲナーアーク!

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朝生じた巻層雲に,かなり強烈なタンジェントアークが煌めくのを仕事の合間に確認しました。 幸い,屋外にすぐいける場所だったので,急いでカメラを持ってきて開けた場所に移動して確認。 すると,数年に一度レベルの現象を確認することができました。

まずは,鮮明なタンジェントアーク!上部と下部が完全に繋がり,パーフェクトな外接ハロとなっていました。 さらに,太陽の左下,離角46度のところには下部ラテラルアークを確認!

そして太陽を貫き,天頂をぐるっと全周に渡って生じているのは幻日環
今年の1月11日の現象も相当すごかったですが,明瞭に全周が繋がった幻日環はかなり久しぶりな気がします。

さらに,幻日環上の向日点付近には肉眼でもわかるほどの輝点。 向日です!
じっくり観察してみると,向日を貫いてウェゲナーアークが生じているようでした!
HaloSimによるシミュレーションの画像とも完全に一致しています。
ウェゲナーアークは向日アークの一種で,揺れ角が小さい時に生じ,少しでも大きくなると不明瞭になるシビアな現象です。 そのほとんどは極地方で観測され,日本で観測されるのは非常に稀です。
恐らく,三重県での観測は史上初ではないでしょうか。 向日アークが日本で観測された例は,2016年10月25日の北海道各地で撮影されたものが有名どころです。 もっとじっくり観察したかったですが,生憎仕事の合間だったので約5分間の観測記録,でした。



2021年3月29日 幻月・幻月環
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元画像現象名入り
月齢15.7の月に,幻月が生じました。 肉眼ではほぼその存在はわからず,カメラによってようやくわかる程度の淡いものです。 しかし,1時間以上安定して出現していました。
何度か撮影していると,なんとなく幻月環(perhelic circle)が見えるような気がしました。 念の為強調処理を施してみると...思った通り,幻月環です。 月光による幻日環の観測は人生初でした。



2021年3月19日 一瞬で消えた高積雲の半透明雲
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朝に快晴の空に少しずつ高積雲が湧き出してきました。 厚さは薄く,空の色が透けて半透明雲となりました。 数分後「どうなっているかな」と思い,空を見てみると,雲ひとつない快晴となっていてかなり驚きました。 一瞬だけ生じた高積雲との出会いだったのですね。



2021年3月2日 寒気移流の空
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午前中は下層大気は暖かく湿った空気。 四日市市のアメダス実況値によると,10度以上で推移していました。 午後になると,寒冷前線が通過。 これに伴う寒気移流で,地上の気温はぐんぐん低下し,職場の廊下や壁に,水蒸気が大量に結露してしまいました。 そのまま寒気移流は継続し,空にはNE-SWに走向をもつ雲がたくさん生じました。 これらは,レンズ雲の性質を持っており,複雑で立体的な空となりました。
今日,生徒から「雲の流れが高度によって違う」という指摘を受けました。 風が強かったことで,大気の動的性質を確認しやすかったのでしょう。 「寒気や暖気の移流が顕著だと,高度によって風のズレが生じるんだよ」と教えました。 このような発見を生徒から出してくれると嬉しいものです。



おしらせ
新ページ「虹の基本」を公開!

基本のハロ・アーク」 に引き続き,新ページ「虹の基本」を公開しました!



2021年2月5日 天使の羽〜肋骨雲〜
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飛行機雲から広がった巻層雲が全天を覆いました。 この写真は,その最初の段階の様子です。 飛行機雲を軸にして,見事な肋骨雲が生じました。 その姿はさながら天使の羽のようです。
2021年1月11日 マルチディスプレイ・ハロ
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元画像現象名入り
午前中は高層雲主体の雲。 高層雲が薄くなってくると,だんだんとすごい光景が広がり始めました。 まずは,太陽と同高度の場所に幻日環!そしてその上には120°幻日も見られました。 120°幻日が薄くなった頃に,それ以外の現象がたくさん生じ始めました。 まずはシャープなタンジェントアークの上に覆いかぶさるようにパリーアーク! サングラスをしなくても分光している様子がはっきりとわかります。 それから環天頂アークが物凄い輝きで分光を始め,その下にラテラルアークが生じました。
このように,さまざまな現象が一斉に見られる光景のことを,マルチ・ハロ・ディスプレイ(Multiple Halo Displays)といいます。 今まで見た光景の中で,最も素晴らしい眺めの一つとなりました。
現象の解説は,こちらの ページをご覧ください。