高積雲 (Altocumulus, Ac)白または灰色、明灰色のの雲の塊で、シート状・層状の雲。ふつうは丸みを帯びていたり、ロール状である。部分的に繊維状にほつれたりぼやけた形になるときもある。 規則的に広がり、雲片の見かけの幅は通常1〜5度。巻積雲との見た目の違いは、この雲片のサイズである。高積雲は種が5、変種が7、部分的特徴が5種類もあり見た目のバラエティが豊か。 個人的見解だが、夕焼けが一番映えるのが高積雲だと思う。 |
種
Species
変種
Varieties
部分的特徴
Supplementary features
付随雲
Accessory clouds
層状雲 stratiformis, str
広範囲に広がった高積雲。高積雲はこの種が最も頻繁に発生する。
円周魚眼レンズからトリミング |
レンズ雲 lenticularis, len
レンズ状やアーモンドのような形の雲の塊。巻積雲同様、しばしばとても細長い見た目になり、通常は輪郭がはっきりしている。 高積雲のレンズ雲は、小さな雲片が密集している場合もあれば、明確な陰影を伴う全体的に滑らかな塊として現れる場合もある。 右図はその後者の例である。
塔状雲 castellanus, cas
高積雲から垂直に立ち上がっており、大気の不安定を表している。これらは次の特徴を持つ:
・線状に並んでいるように見える
・城の城壁のようにみえる
・幅よりも高さがあることがある
・側面から見ると特に顕著に見える
※特に垂直に広がると、以下のように分類されます:
・非常に発達している場合=Cumulus congestus altocumulogenitus
・上部が滑らかで繊維状または縞状、雲が稲妻や雷またはひょうを伴う場合=Cumulonimbus altocumulogenitus
房状雲 floccus, flo
小さな房状の見た目で、雲片の下部は一般的にほつれている。しばしば氷晶から構成された尾流雲を伴っている。 房状雲は、しばしば塔状雲の基底部が消散した結果として形成されることもある。
ロール雲 volutus, vol
長く水平に伸びた筒状の雲塊。しばしば水平軸を中心にゆっくりと回転しているように見える。 通常、1本の線として現れ、地平線から地平線まで広がることはほぼない。 高積雲のロール雲はとても珍しい現象。
半透明雲 translucidus, tr
高積雲の大部分が十分に透き通っており、太陽や月の位置を確認できる雲。このは、しばしば層状雲やレンズ雲として現れる。
一番壁に飾りたい雲である。
数十分後完全に消えた |
すきま雲 perlucidus, pe
雲の隙間から太陽、月、空の青、またはより高い高度の雲が見える状態の高積雲。しばしば層状雲の形で現れる。ありふれた高積雲の変種である。
不透明雲 opacus, op
大部分が不透明で、太陽や月が完全に隠れている高積雲。多くの場合、この種類の高積雲の雲底は平らである。不透明雲は、層状雲の変種としてかなり頻繁に見られるありふれた雲。
二重雲 duplicatus, du
異なる高さの高積雲が重なった状態であり、層状雲やレンズ雲で見られる。陰影の違いや走向の違いでわかることが多い。また、ビデオ撮影を確認したら、思いがけず二重雲だった、ということもよくある。
波状雲 undulatus, un
細長く何本も平行に生じている高積雲。波状雲の一本一本は、雲片は独立しているか合体して一つの要素から構成されているかのどちらかである。 これが全天に出現していることは結構珍しく、美しい見た目となる。 一方、そのおどろおどろしさに「地震雲だ」と騒ぐ輩がいるが、全く関係ない。
放射状雲 radiatus, ra
高積雲が平行に分布しているとき、遠近法効果により地上の一点に向かって収束しているように見える状態の雲。
だいたい放射状雲としての性質が見られる |
撮影していることがわかる |
蜂の巣状雲 lacunosus, la
ある程度規則的に分布した丸い穴が空いている高積雲。多くは縁がほつれ網目状や蜂の巣状に分布している。下降気流の存在を示しているためその形状は急速に変化する。
整った形状はなかなか見られない |
尾流雲 virga, vir
高積雲から生じている流線(=降水)。多くの種類の高積雲で生じうる。しばしば房状雲からとても白い尾流雲が現れる。このとき、房状雲本体が完全に消散するとその尾流雲は「Cirrus altocumulogenitus」と呼ばれる(つまり、巻雲になる)。
偶然そこに幻日が生じた つまりこの尾流雲は氷晶である |
乳房雲 mamma, mam
高積雲の乳房雲は中層で生じるためその膨らみは比較的大きく見ることができる。高積雲の部分的特徴と判断が難しいときは、周囲の雲との連続性(例えば高積雲の層状雲の端)や高度から推定するとよい。
穴あき雲 cavum, cav
強い過冷却状態の高積雲に見られ「ホールパンチクラウド」と紹介されている書籍もある。この雲は、過冷却状態の雲粒が氷晶へ凝固した時に、その状態変化が周囲に伝播することで形成される。形成された氷晶は穴の中央部分尾に流線として観測される(これ自体は尾流雲である)。ちなみにこの雲が見られたときは、その地域一体が穴あき雲を形成しうる雲であることが多いようで、衛星画像でもいたるところで穴が空いている様子が見られることもある。
出現は稀である。
つまりこの部分は氷晶である 穴あき雲の形成過程から「あたりまえだ」と理解したい |
波頭雲 fluctus, flu
雲の上部に生じる波状の部分。大気の流れの違い(鉛直シア)による境界の不安定(=ケルビン・ヘルムホルツ波)を可視化している。巻雲、高積雲、層積雲、層雲、積雲で見られるとされている。 高積雲の場合、レンズ雲や波状雲の一部として観察されることが多い印象である。
荒底雲 asperitas, asp
典型的なものは、さまざまな濃淡の灰色を示す。大抵雲は十分厚く、波状雲よりも混沌としている。下から見ると「荒れた海面を下から見るような雲底部の波状構造」定義されている。荒底雲は高積雲(=中層)と層積雲(=下層)にしか分類されていないので、荒底雲の高さを見極めないと正しく分類できない。
高度は近くの山より十分高い(=中層) |
Species |
Varieties |
Supplementary features |
Accessory clouds |
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上層雲 |
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中層雲 |
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下層雲 |
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