層雲 (Stratus, St)灰色の雲の層で、比較的均一な雲底をもつ。霧雨や雪、雪粒を降らせることがある。太陽が雲を通して見える場合、その輪郭ははっきりと識別が可能。ほつれた斑点状の形で現れることもある。地表から500m程度の一番低いところにできる雲である。 |
種
Species
変種
Varieties
部分的特徴
Supplementary features
付随雲
Accessory clouds
霧状雲 nebulosus, neb
層雲のなかで最も一般的な種。灰色でぼんやりとしており、均一で層状。地形や季節によって、放射冷却で地表付近が冷え切ると頻繁に生じることがある。なおその場合は太陽が昇る(=地表の気温が上がる)と文字通り「霧消」する。
その上は山の向こう側に押し寄せる層積雲の雲頂 |
この状態は「霧」とよぶ |
断片雲 fractus, fra
不規則にほつれた形で現れる。その形はすぐに変化し、風に乗って急速に移動する。
手前に散在しているのが断片雲 |
不透明雲 opacus, op
太陽や月を完全に隠すほど厚く、不透明な状態の層雲。層雲の中でも最も一般的な種類。雨上がりなど、十分な水蒸気量の時に見られる。
地表付近に層雲 |
半透明雲 translucidus, tr
太陽や月は透けて見えるような薄い層雲。放射冷却に伴って生じた層雲は水蒸気量が多くない時があるためよく半透明雲が見られる。
波状雲 undulatus, un
層雲に生じている波状雲。層雲はその全体像が見えにくく、さらにその波状構造が見ることができる条件は限られているため意識的に探さないと見つけることはできない。
降水雲 praecipitatio, pra
層雲からも降水が生じるときがあり、層雲の部分的特徴として分類されている。しかし、観察するためには条件が限られている。例えば層雲の下で小雨を感じ「層雲の降水雲」と判定することができる。または夜に人工灯によって照らされていることでわかることもある。
下の写真は、台風通過後に残った層雲の不透明雲を撮影したもの。その一部を見ると降水が生じている様子がわかる(鉄塔の向こう側)。
波頭雲 fluctus, flu
層雲もケルビンヘルムホルツ不安定性に伴う雲が観察されることがある。ICA2017では観察頻度が少ないということだが、層雲が頻繁に観察される山地の近くでは比較的観察する機会は高いように思われる。
雲粒密度が非常に濃い |
Species |
Varieties |
Supplementary features |
Accessory clouds |
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上層雲 |
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中層雲 |
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下層雲 |
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