■雲分類の基本 『十種雲形』
雲は主に10種のグループに分類されます。これは、雲の見た目や特徴によって区別される一番基本的な分類です。これらは総称して「十種雲形」と呼ばれ、観測されるすべての雲はどれかに属します。 一般に雲は、海面から対流圏の最上部(対流圏界面)で発生します。対流圏は、「高層」「中層」「低層」の3つの高さで分けられ、特定の雲形が最も発生する高度の範囲によって定義されます。緯度によっても変わりますが、温帯の場合は- 高層(巻雲|巻積雲|巻層雲) :5~13 km
- 中層(高積雲|高層雲|乱層雲) :2~7 km
- 下層(層積雲|層雲|積雲|積乱雲) :地表から2km
■ 雲の大分類
十種の雲形はさらに細かく分類されます。基本的には「種→変種→部分的特徴・付随雲」と、細かく分類されます。
種(Species)=雲自体の形や内部構造の違いによる分類
十種雲形はさらに「種」と呼ばれる細かい分類をされることがある。【注2】。
変種(Varieties)=広い視野で見た時の雲の透明度や配置の違いによる分類 一つの雲が複数の「変種」に該当することもある(例えば、一つの巻積雲が波状雲と蜂の巣状雲の性質を併せ持つことはありえる)【注3】。
部分的特徴(Supplementary features)=雲本体の一部分の特徴的な雲に対する分類 雲に付着していたり、部分的に一体化していることもある。
付随雲(Accessory clouds)=雲本体からは独立しているが付随して生じている小さな雲に対する分類 一部の付随雲は、主な雲と部分的に合体している場合もある。
変種(Varieties)=広い視野で見た時の雲の透明度や配置の違いによる分類 一つの雲が複数の「変種」に該当することもある(例えば、一つの巻積雲が波状雲と蜂の巣状雲の性質を併せ持つことはありえる)【注3】。
部分的特徴(Supplementary features)=雲本体の一部分の特徴的な雲に対する分類 雲に付着していたり、部分的に一体化していることもある。
付随雲(Accessory clouds)=雲本体からは独立しているが付随して生じている小さな雲に対する分類 一部の付随雲は、主な雲と部分的に合体している場合もある。
下の表は、ICA2017で示された雲分類の一覧です【注4】。日本語名は「雲の和名ワーキンググループ」の提案に則った名称となっています。
なお、それぞれのセル内の順番は、ICA2017による観察頻度順に準拠しています。
Species |
Varieties |
Supplementary features |
Accessory clouds |
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上層雲 |
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中層雲 |
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下層雲 |
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【注1】
(a) 高層雲は中層に見られるが、しばしばより高層まで広がることがある。
(b) 乱層雲は中層に見られるが、普通は他の二つの層まで広がる。
(c) 積雲と積乱雲は、低層にその雲底があるが、鉛直方向への広がりが非常に大きいため、上部が中層や高層にまで達することがある。
【注2】
雲が属する「種」は基本的には1つだけである(例えば、巻雲の毛状雲かつ鈎状雲という分類は基本的にはない。これは種による分類がそれぞれ独立であることを意味する)。しかし、同じ種が異なる雲形に共通することはある。
【注3】
半透明雲(translucidus)と不透明雲(opacus)は同時に分類はされない。
【注4】
Mother cloudsとspecial cloudsは除いている。また、右図は「ICA2017:Table 2. Cloud classifications」である(リンクになっています)。